ビールなんて美味しいのは最初の一杯だけだ。
特にこんな日は
こんな気分の時は、
こんな胃が痛い日に飲むビールなんて最悪だ。
しかもなんだって酒の肴はナッツしか無くて
傷む胃袋さらに痛めつけて、何してるんだ一体
液晶画面の向こうでは、出逢いチャットの画面が開き
楽しそうに会話している男女を見る事が出来る。
助けてとあのナカに入るのはきっと容易い
上辺だけは皆仲良くしてくれるだろう。
でもそれじゃダメだ。
それじゃ何も埋まらない。
胡桃を噛み砕き、ビールで流し込みながら
痛い、胃が痛いと私は泣く。
痛いから助けてと私は泣く。
だけど、私は叫びはしない。
痛い助けてと泣く事はしても
お願い助けてと叫びはしない。
アーモンドを噛み砕き、ビールで流し込みながら
傷む胃を抱えて私は歯を食いしばる。
私は寂しい。
こんなに寂しい。
でも明るい液晶画面の向こうの
偽りの会話と言葉のナカにはもう二度と行かない。
其処に行っても何も満たされない。
ただカラッポが酷くなるだけだ。
それを全身で痛いほどに私は良く理解出来たから
だから其処には行かない。
其処でウタウものは
全て偽りだ。
甘ったるい愛だの恋だの
全部嘘っぱちだ。
酔えるやつらは一生酔えば良い。
私はそんなヤク中はごめんだ。
カシューナッツを噛み砕きビールで流し込みながら
傷む胃を抱えて私は歯を食いしばる。
「寂しい」と呟く相手を二度と間違えたりはしない。
その言葉を言える相手は、私のナカでただ一人なのだから。
こんなに寂しい。
こんなに独ぼっちだ。
それを武器に飾り立てて
偽りの世界に浮かぶ事は
私はもうしない。
自業自得で空いた穴。
それがカラカラと悲鳴を上げる。
身体のナカの空っぽな穴が震えてたてるこの悲鳴
身体がやせ細り思考は滞り
何も見えなくなり、いっそ死んだ方が
ましだと思わせるに等しい孤独感。
ばりぼりとナッツを噛み砕きビールで流し込んで
私は歯を食いしばる。
コレから先ずっと、私はコレを抱えて生きてゆく
死ぬまでずっと抱えて生きてゆく。
コレは塞がる事が無い。
それが私の背負うもの。
過ちを犯した私の背負うもの。
それが耐えきれず、今夜のように
私は何度も泣くだろう。
でも、決して叫んだりしない
それで自分を禍々しく飾り立てもしない。
そんなものはビールで流し込む。
身体のナカに空いたくらい穴に全部流し込む。
傷むのは自分の身体だけで十分だ。
それだけで十分だからだ。
テーマ : 恋愛詩 - ジャンル : 小説・文学