朝にTVを点けるのは、好きではないのだよ
でも、空模様が気まぐれに変わりやすいこの季節だから。
天気予報だけは欠かさずみたい。
いつだか、適当にTVのリモコンボタンを押して
番組を次々と切り替えて流し見しているときに
たった一つだけ、賑やかな音が何も入っていない
天気予報番組を見つけた。
どこの放送局かもわからない
だっていつも、切り替わる番組をぼんやり眺めているときに
その天気予報の番組は現れる。
気象予報士の説明も無い
ただ、天気図が淡々と映し出されて
刻一刻移り変わる雲の様子が映し出されて
何処其処は洪水量何パーセント、
気温何度なんて数字が、順序よく表示されてゆくだけ。
警報や注意報が発令されていれば
其の画面にごく事務的にその旨がテロップで流される。
静かな天気予報番組。
毎朝、TVの電源を入れて、リモコンボタンを次々押していると
やがて現れる番組。
珈琲飲みながら
トースト齧りながら
新聞に目を通しながら
鳥がさえずっていて
風はまだ、冷たくて
謎の天気予報番組を眺めながらの
静かな朝。
テーマ : ショートショート - ジャンル : 小説・文学